ペットに害のある食品

可愛いペットを食害から守るため、食べさせてはいけない食べ物を知っておきましょう。

 飼育ペット数、犬…約890万匹 猫…約964万匹

     ▲ もっと飲みたいな~!
 一般社団法人ペットフード協会が平成30年に行った全国犬猫飼育実態調査によると、犬と猫の全国推計飼育頭数合計は全国で1,855万2千匹となっている。

 内訳は、犬が890万3千匹、猫は964万9千匹。犬の飼育頭数は前年比で減少傾向、猫の場合はほぼ横ばいとなっている。

 また、全国の飼育世帯率で見てみると、犬は12.64%、猫の場合は9.78%の家庭で飼われていることが分かった。


▪飼い主いない犬猫、20カ国で3.6億匹
▪1年以内の飼育放棄15%


【PR】


 ランク別危ない食べ物一覧

 目の中に入れても痛くないペットが万が一病気やケガでもしたら大変ですね。特にペットは。飼い主がちょっと目を離した隙にとんでもないものを口に入れることはよくあります。なんでもなければ良いのですが、絶対に食べてはいけないものを口に入れてしまったら大変です。

 そこで、ここでは犬や猫が食べてはいけない食べ物についてご紹介します。食べてはいけない食べ物は、犬猫ほぼ共通です。

危険度Aランク【高】 ⇒ 死亡の恐れがある最も危険度が高いもの
「玉葱」、「長ネギ」、「ニラ」、「キシリトール」(甘味料の一種)、「チョコレートなどのカカオ類」、「 レーズン」、「マカデミアナッツ」、「ブドウ」、「アボカド」、「人間用の医薬品・ 栄養補助食品・ サプリメント」など


危険度Bランク【中】 ⇒ 量によって危険度が高くなるもの
「ニンニク」、「アワビ」、「スルメ」、「豚肉」、「硬い骨」 、「アルコール」、「カフェイン」「一部のキノコ類」、「イースト・パン」


危険度Cランク【低】 ⇒ 過剰に摂取すると危険なもの
「生卵」、「イカ」、「タコ」、「貝類」、「青身の魚」、「レバー」、「ナッツ類」、「柑橘類」、「ほうれん草」、「野菜類」、「おから」など。玉葱を煮込んだスープも危険。



 危険度ランク別の食品とその症状

危険度Aランク【高】… 症状
<ネギ類>〔高〕
…胃腸障害、血尿、衰弱、心拍数の増加。犬より猫の方が危険度が高い。


<キシリトール>〔高〕…甘味料の一種
…犬の場合、少量でも摂取すると血糖値が低下し、嘔吐、歩行困難、内出血、肝不全を発症する危険がある。
 ASPCAの症例には、キシリトールの摂取後、12〜24時間以内に急性肝不全を発症するケースが報告されている。


<カカオ類>〔高〕…チョコレートやココアなど
…不整脈、心拍の増加、口の渇き、痙攣、嘔吐など。
 カカオ含有量の高いビターチョコほど危険。ミルクチョコレートはカカオ含有量が低いため、症状は出にくい。小型犬の場合、板チョコ1枚分で致死量になる可能性がある。


<人間用の医薬品/ 栄養補助食品/ サプリメント>〔高〕
…鎮痛剤に含まれる「アセトアミノフェン」は、強い中毒を起こし、特に猫に影響が出やすい。効き目の強いタイプの錠剤1錠で致命傷となる。
 ASPCA(米国動物虐待防止協会中毒事故管理センター)の発表によると、アメリカ国内のペットの事故の第1位は人間用の医薬品によるもので、鎮痛剤、風邪薬、抗うつ剤、栄養補助食品によるものがも多い。


<レーズン/ブドウ>〔高〕
…犬の場合、摂取後2~3時間後から嘔吐や下痢・腹痛を起こし、3~5日後に腎不全となる。 重度の場合は、腎不全から死亡するケースもある。猫にはまだ未知数。
 同じ量を摂取しても、重い症状が出る犬もいれば、全く平気な犬もいるという貯砂結果がある。

  ▲ ポートン・イン・ザ・ウォーターで

<アボカド>〔高〕
…嘔吐や下痢、胃腸の炎症。死亡の恐れもある。
種ごと1個すべて食べてしまうなど、多量に摂取したときに発症するとされ、犬や猫にとって、アボカドに含まれるペルジンが毒になる。
 ペルジンは果実だけではなく、葉、種子、樹皮にも含まれている。ペットフードの原材料としてのアボカドについては、人気種の1つであるグアテマラ系がもっとも危険があり、他の種類はそれぞれ程度が異なる。


<マカデミアナッツ> 〔高〕
…無気力、嘔吐や異常な高熱、 筋硬直、ふるえ、心拍の増加
犬の場合、摂取後12時間以内に症状が現れ、12~48時間続く。


危険度Bランク【中】… 症状
<ニンニク、ガーリックパウダー、ガーリックオイルなど>〔中〕
…嘔吐、血尿、衰弱、心拍の増加
玉ねぎと同じアリルプロピルジスルファイドなどが含まれているため、 溶血性貧血、ハインツ小体性貧血を起こすが。 酸素収容力に問題が起こるのは大量に摂取した場合に限られる。


<アワビ/トリガイ/サザエ/トコブシ>〔中〕
…光線過敏症を発症する。毛の薄い耳に症状が現れやすく腫れやかゆみが生じる。 場合によっては炎症を起こした部分が壊死することもある。主に猫がなりやすい。


<スルメ> 〔中〕
…胃腸障害、元気が無くなる
スルメは胃で水分を含んで数倍に膨張するため、膨れたスルメが食道に詰まるなどして危険な状態となる。


<生の豚肉>〔中〕
…寄生虫のトキソプラズマによる体重減少、下痢、目の障害など様々。若い猫ほど危険が高いとされている。トキソプラズマ犬や猫に限らず人間にも寄生するが、猫のみ体内で完全成長する。


<鶏や鯛などの硬い骨>〔中〕
…胃腸障害、喉の炎症、嘔吐など。鯛や鶏の骨は骨も大変堅いため、のどや食道に刺さるなどして危険。


<アルコール>〔中〕
…嘔吐、ふるえ、意識障害、血圧低下、痙攣、呼吸障害など。


<カフェイン>〔中〕
…心臓や神経系への異常。
お茶やコーヒー、コーラなどに含まれている。


<生のイーストのパン> 〔中〕
…生のイーストは、食後に胃で膨張するため危険。また、生のイーストはアルコールを形成するため、アルコール中毒をもたらす危険もある。


<コンニャク>〔中〕
…消化不良


<生卵の白身部分> 〔中〕
…下痢、皮膚炎、結膜炎
卵白に含まれるアビジンがビタミンB群の一種であるビオチンを分解するためで、加熱すれば問題はない。

【PR】


危険度Cランク【低】 … 症状
    ▲ 川面のカモに興味津々
<生のイカ/タコ/貝類/甲殻類/淡水魚>〔低〕
…食欲低下、嘔吐、痙攣、ふらつきなどの神経障害など。
 生の貝類や甲殻類を大量に摂取すると、ビタミンB1(チアミン)欠乏症を発症する恐れがある。 チアミン欠乏症は人間でも起こる病気ですが、加熱すれば安全。ワラビなど一部の山菜のアクにもチアミナーゼが含まれている。


<青身の魚、サバ/アジ/イワシなど> 〔低〕
…皮膚の下にしこりができ、痛みを伴うこともある。
 急性で現れる病気ではなく、慢性的な食生活の偏りがこの病気を発症するが、食べ過ぎなければ、青身魚も体に良い食材のひとつである。


<レバー>〔低〕
…骨(脊髄)の変形。症状が進むと起きあがれなくなる。これは、過食した場合、ビタミンA過剰症になるため。


<ナッツ類、アーモンド/ピーカン/クルミ/ピーナッツなど> 〔低〕
…嘔吐、下痢、膵炎
ナッツ類に含まれる大量の油脂が原因。先に述べた「マカデミアナッツ」のみ、危険度が高いので注意が必要。


<ココナッツ>〔低〕
…胃の不調、軟便、下痢
果肉やココナッツミルクに含まれる油脂が原因。少量であれば害になることはない。ココナッツウォーターはカリウム含有量が高いため、ペットに与えるのは控えた方が良い。


<かんきつ類、ミカン/ユズ/レモンなど>〔低〕
…大量に摂取した場合は、中枢神経系の抑制、炎症など。
果実、茎、葉、果皮、種に含まれるクエン酸やエッセンシャルオイルが原因。少量であれば重い症状は出ない。


    ▲ ボクは段ボールの中が大好き!
<ほうれん草>〔低〕
…結石
シュウ酸が結石の原因。茹でてアクを取ればシュウ酸も減らす事がでる。


<野菜類/おからなど>〔低〕
…下痢、便秘など
野菜に含まれるセルロースを消化できないためで、大量摂取すると胃腸の負担になる。


<牛乳>〔低〕
…下痢
犬や猫は、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を消化する酵素をもっていないため。
 中には全く平気な犬や猫もおり、牛乳が危険な食品というわけではない。


<煮干し>〔低〕
…犬の症状=下痢、泌尿器症候群/ 猫の症状=下痢、FUS(猫泌尿器症候群)
マグネシウムを多く含むため、食べ続けると結石になりやすくなる可能性がある。


<海苔>〔低〕
…犬の症状=下痢、泌尿器症候群/ 猫の症状=下痢、FUS(猫泌尿器症候群)
煮干しほどではないが、マグネシウムを含むため、猫の場合尿結石(ストロバイト結石)ができやすくなる。


<鰹節>〔低〕
…犬の症状=下痢、泌尿器症候群/猫の症状=下痢、FUS(猫泌尿器症候群)
人間用の鰹節には 塩分、マグネシウムが含まれており、猫の場合は、海苔と同じく尿結石ができやすくなる。少量なら問題はない。


<ミネラルウォーター>〔低〕
…犬の症状=下痢、泌尿器症候群/猫の症状=下痢、FUS(猫泌尿器症候群)
ミネラルウォーターの種類にもよるが、マグネシウムを多く含むものがあり、猫や犬には多すぎるので注意が必要。



 こんなことにも気をつけましょう

観葉植物による中毒
 食材ではありませんが、室内に置いてある観葉植物を犬や猫が誤って食べたことで中毒を起こすこ とがあります。

 ディヘンバキアやセローム(サトイモ科)、アイビー(セイヨウキヅタ、ウコギ科)、イチイ(イ チイ科)、クレマチス(テッセン、キンポウゲ科)、スズラン(ユリ科)、クロッカス(アヤメ科)、シクラメン(サ クラソウ科) など、犬や猫に潜在的な危険性を持つ植物は多いので注意が必要です。


歯のケアに注意を!
 犬は生後約1ヵ月で28本の乳歯がはえそろい、3~7月で42本の永久 歯にはえかわります。また、猫では生まれてから約1月半で26 本の乳歯がはえそろ い、4~8月で30 本の永久歯に生えかわります。

 犬や猫が健全な歯を失うと、健康状態にも悪い影響を与えます。健全な歯を保つ には、ドライフードなどを与えるのも効果的ですが、できるだけ、子犬や子猫の時から定期的な歯磨き(犬ではできれば毎日、猫では週1~2回) の習慣をつけましょう。

 歯磨きは、子供用の歯ブラシや、やわらかい布きれなどを使っておこないますが、最初は、獣医師の先生から正しい歯磨きの方法を指導してもらうと良いでしょう。また、定期的に獣医師の診察を受け、歯垢や歯石をとってもらうことも重要です。


飲み水にも注意を!
 家庭にある洗浄剤、殺虫剤等についても適切に管理し、犬や猫の口に入らないよ う注意することが大切です。

 一般的に、健康な成犬や成猫が快適な温度条件下で暮らしている時の飲水量は、フードの乾物量 (水分を除いた重量) の約2.5倍と言われています。

     ▲ はいポーズ!
実際には食べているフードの水分含量は、 犬用のドライフードの場合でおおよそ10%、ウエットフードはおおよそ75%です。気温、運動量などによっても大きく左右されますので、いつでも新鮮な水が飲めるようにしてください。

 なお、人間用のミネラルウォーターは、マグネシウムなどのミネラルが多く含まれているものもある ため、犬や猫に与える場合は注意が必要です。


<参考資料> … 農林省&環境省各ホームページ、SPCA(米国動物虐待防止協会) 発表資料


センサーで犬の心が分かるかも…、大阪府立大が開発

 ペットの犬に装着したセンサーで「心の状態」を測定…。そんな手法を大阪府立大が開発し、18日に開催された日本獣医内科学アカデミー学会で発表した。感じているストレスの度合いを心拍を測定して読み取るという。

 人がストレスを感じると自律神経が影響を受け、心拍のリズム(間隔)が微妙に変化することがわかっている。リズムのゆらぎはストレス時では交感神経が働いて小さく、リラックス時は副交感神経が働いて大きくなる。人のストレス度測定は実用化されているが、犬は心拍数と関連がある呼吸数が、安静時は少なく、回数の変化も大きいため測定に適さなかった。

   ▲ 飼育ペット数、犬…991万7千匹
 獣医学が専門の島村俊介准教授らは犬用の新たな解析法を開発し、リズムのゆらぎの程度を指標化できるようにした。安静状態のビーグル犬5頭に緊張状態になる薬を投与すると、ゆらぎの指標は投与前の1%に減り、ストレス度が上がったことを確認できたという。

 測定に必要な時間は1分ほど。犬の健康管理や病気の早期発見につながる可能性もあり、2、3年後の実用化をめざし、シャープと共同で開発を進めているそうだ。  (2017/2/19)



〈トップページに戻る〉

S-PLANNING
inserted by FC2 system