地震と津波に備える

「備えあれば憂いなし」地震や津波などの自然災害から身を守るため、常に防災意識を!
国土交通省ハザードマップ
<サイト・メニュー>
◇地震から身を守るために
・地震の予知は可能?それとも不可能?
・災害は忘れたころにやってくる

◇現在の地震観測体制
・南海トラフの新観測網、高知~宮崎沖に40基

◇30年以内に震度6弱以上、地震発生予測地図 (2018/6/26)

◇地震関係のニュース
・東日本大震災から13年 「今でも悲しみは変わらない」 (2024/3/11)
・阪神大震災29年 「備え」の重要性、改めて浮き彫りに (2024/1/17)
・能登半島地震、海が消えた漁港、沖に移動した海岸線 能登上空から見た地盤隆起 (2024/1/16)
・能登半島地震、断層破壊も津波も火災も 連鎖した災害を図で解説 (2024/1/8)
・相模トラフのM8級発生確率、30年内に0~19% 東大教授ら研究 (2023/10/30)
・巨大地震の災害ごみ、最大2700万トン 環境省推計 (2023/3/26)
・祈り、悲しみ…「風化させてはいけない」 東日本大震災から12年 (2023/3/11)
・南海トラフ地震後 1週間以内のM8級、発生率は平常時の100~3600倍 (2023/1/10)
・死者最大19.9万人 日本海溝・千島海溝地震で政府想定 (2021/12/21)
・南海トラフ発生確率、70~80%に引き上げ/地震調査委員会 (2018/2/9)
・大地震3千年に1度、熊本日奈久区間断層 (2017/9/9)

◇日頃から防災意識を持つことが大切
・長周期地震動について
・自然災害から命を守るため、最低限知っておきたいこと
▪災害時は「避難指示」で必ず避難
・緊急地震速報、広範囲化…震源遠くても高精度に (2018/3/20)

◇津波から身を守るために
・警戒が最も必要なプレート境界型地震
・津波の遡上、長時間続く押し波と引き波
・気象庁の津波情報
・津波の避難3原則
・津波動画を地図上で検索、東北大がネット公開
・石垣島、巨大津波の痕跡 2000年前から4回 (2017/5/30)


地震から身を守るために

地震の予知は可能?それとも不可能?

   ▲ 阪神淡路大震災で倒壊した阪神高速道路と国道43号線
 気象庁によれば、地震を予知するということは、少なくとも地震が発生する「時」と「場所」、そして「マグニチュードの規模」が限定されている必要があります。

 発生時刻を限定するためには、地震の予測される地域で科学的な観測が十分に行われ、常時監視体制が整っていることが欠かせません。

 そのような体制が整っていて予知のできる可能性があるのは、現在のところ駿河湾付近からその沖合い(場所)を震源とするマグニチュード8クラスが想定される「東海地震」だけで、それ以外の地震については直前に予知できるほど現在の科学技術が進んでいないとのこと。


地震は忘れたころにやってくる

 熊本大地震を始め東日本大震災や阪神淡路大震災は、私達に地震の怖さを教えてくれました。来る来ると言われて久しい東海地震ですが、その前兆現象を捉えるため、東海地域及びその周辺には各種の観測機器が設置されています。
 設置されているのは、気象庁が整備した地震計、地殻岩石歪計のほかに、国土地理院や海上保安庁、国立研究開発法人防災科学技術研究所、産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学などが設置した地震や地殻変動、地下水等の観測機器です。
 これらの研究機関で観測されたデータは気象庁に集められて常時監視分析されている。



太平洋側、高い傾向続く 30年間の震度6弱以上確率…水戸で80%/全国予測地図

 政府の地震調査委員会は26日、2020年版「全国地震動予測地図」を公表した。今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は、北海道東部のほか、関東から東海、近畿、四国の太平洋側などで26%以上となり、非常に高い傾向が続いた。

 千島海溝沿いの北海道・根室沖でマグニチュード(M)8前後の地震が30年以内に起きる確率を80%程度、南海トラフ沿いのM8~9級地震確率を70~80%と評価していることが影響した。 全国トップは水戸市役所で、前回18年版と同じ81%。根室市の根室振興局は78%から80%に上昇。高知市役所は横ばいの75%、徳島市役所は73%から75%に上がった。

 揺れやすさに影響する浅い地盤の評価には局地的な地形・地質の最新調査結果を反映させ、関東ではボーリング調査データなどを取り込んだため、前回は全国最高の85%だった千葉市役所は62%に、大阪市役所は55%から30%に低下した。  (2021/3/27)

 ◇地震動予測地図を見る ⇒ 「地震ハザードステーション」(防災科学技術研究所)



現在の地震観測体制

     ▲ 熊本地震で崩れた熊本城の石垣
 現在までの地震観測体制では、熊本大地震や東日本大震災、阪神淡路大震災ような大規模地震の発生予知は、まったく出来なかった。

 気象庁によると、東海地震については最も観測体制が充実しているそうだ。にもかかわらず、「東海地震は必ず予知できるか?」との問いかけに対して、気象庁からは「いいえ」との答えが。
 大地震の予知は非常に難しいが、現在ではさらにや四国沖にまで観測範囲を広げ、南海トラフなど始東南海沖を震源地とする巨大地震の予知に向け日夜奮闘努力しているのが実情だ。


南海トラフの新観測網、高知~宮崎沖に40基

 文部科学省は2019年度に、南海トラフ巨大地震に備え、四国・九州沖で海底地震・津波観測網「N―net」(エヌネット)設置に着手する方針を固めた。2023年度中の完成を目指す。津波検知が最大20分程度早くなり、警報の精度向上も期待できる。これにより、南海トラフの海底観測網の空白域が解消される。

 観測網には、津波を観測する水圧計や地震計などを備えた多機能のマルチセンサーを使用する。高知県室戸市の室戸岬沖から宮崎県串間市の都井岬沖にかけての想定震源域の海底に、約20キロ・メートル間隔でセンサー約40基を沈め、ケーブルで結ぶ。文科省は来年度予算の概算要求で約32億円を計上し、総事業費は5年間で200億円弱規模を見込む。 (2018/8/22)



30年以内に震度6弱以上、2018年版地震発生予測地図

 政府の地震調査委員会は26日、今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」の2018年版を公表した。千島海溝沿いの巨大地震を新たに考慮したため、北海道東部の太平洋側で17年版より大きく確率が上昇した。今年1月1日時点での評価のため、今月18日に発生した大阪北部地震の影響は反映されていないが、大阪府付近は17年版とほぼ同じで高い確率となった。

       ▲ 2018年版全国地震動予測地図
 確率が最高レベルの「26~100%」は、昨年と同じく首都直下地震が想定される関東地方や、南海トラフ地震が懸念される静岡から四国にかけての太平洋沿岸など。また、地震調査委が昨年、千島海溝でマグニチュード(M)9級の巨大地震が高い確率で起こる可能性があると初めて評価したことを受け、今年の予測図では釧路、根室地方など北海道東部の広い範囲で最高レベルとなった。

 都道府県庁所在地では千葉市の85%が最も高く、横浜市82%、水戸市81%と続いた。北海道の道東では、根室市が78%で昨年版より15ポイント、釧路市が69%で22ポイント上昇した。東京都内は都庁がある新宿区は48%だが、地盤が軟らかい湾岸部などはこれより高い。大阪市は17年版と同じ56%で、大阪北部地震の発生を考慮しても、確率に大きな変化はない見込みだという。(2018/6/26)



  ◇最新の地震動予測地図はこちら ⇒ 「J-SHIS Map」…J-SHIS地震ハザードステーション


地震関係のニュース

南海トラフ「前兆現象」で避難、震源域に促す(2018/12/11)

 政府の中央防災会議の作業部会は11日、南海トラフ巨大地震の震源域で大地震が起きた場合、域内の被災していない地域にも避難を促すことなどを柱とする報告書をまとめた。報告書を踏まえ、国は太平洋沿岸を中心に29都府県707市町村や企業、学校などに新たな防災計画の策定を求める。

 報告書では、巨大地震の想定震源域のうち、〈1〉東側か西側のどちらかをマグニチュード(M)8以上の地震が襲う「半割れ」〈2〉一部でM7以上の地震が起きる「一部割れ」〈3〉断層がずれ動く「ゆっくりすべり」――の三つを前兆現象と定義。いずれかの現象が起きた場合、気象庁は最短2時間で「臨時情報」を発表し、政府もほぼ同時に防災対応を取るよう呼びかける。

 〈1〉の場合、過去に東西が連動した地震が起きているため、被災していない側でも▽地震による津波到達までに明らかに逃げ切れない地域の全住民▽逃げ切れない可能性がある地域の高齢者や障害者ら――はあらかじめ避難してもらう。

 対象地域は、地震発生から30分以内に30センチ以上の津波が到達する場所を想定。避難期間は1週間程度とする。また、避難期間終了後も1週間は自主避難の実施など高い警戒体制を求める。

 〈2〉は過去の事例から〈1〉ほど大地震が起きる可能性は高くないとして、自主避難を基本とし、期間は1週間程度とする。〈3〉は避難を求めず、日常生活で警戒レベルを引き上げてもらう。

 内閣府は臨時情報の発表に伴う混乱を避けるため、新たな防災計画の策定が必要と判断。南海トラフ巨大地震の「防災対策推進地域」として避難施設の整備などが要求されている29都府県707市町村に策定を求める。企業や病院などにも具体的な対応を盛り込んだ計画を作成してもらう。

 内閣府は来年度中にも計画策定の手助けとなるガイドラインを完成させ、自治体などに示す。前兆現象への国としての対応をまとめた防災計画も併せて作る。 (2018/12/11 読売)


東海地震、西側7県は救援出せず…トラフ警戒/総務省消防庁 (2018/4/23)

 南海トラフ沿いの巨大地震について、総務省消防庁は、想定震源域の東側の東海地震が起きた場合、西側にあたる和歌山や高知など7県からは、救助などを応援する緊急消防援助隊を原則として出動させないことを決めた。

 東側で巨大地震が起きた直後、西側でも発生した例があり、西側での救助態勢が手薄になる可能性を考慮した。

 援助隊は普段、市町村などの消防隊員として活動している。大災害が発生すると、消防庁長官の要請や指示により、特殊な機材や機器を持って被災地に駆けつける。2011年の東日本大震災では、発生から約3か月間で延べ11万人が出動、約5000人を救助した。17年の九州北部豪雨などでも出動している。

 静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフ沿いの巨大地震は100~150年間隔で繰り返し起こってきた。震源域全体で起こるほかに、東側で東海地震などが発生した後、時間をおいて西側が連動した例が知られている。160年前に起きたケースでは、時間差は32時間だった。 (2018/4/23 読売)


南海トラフ発生確率、70~80%に引き上げ/地震調査委員会 (2018/2/9)

 政府の地震調査委員会(委員長=平田直なおし・東京大教授)は9日、静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで今後30年以内にマグニチュード(M)8~9級の巨大地震が発生する確率を「70~80%」に引き上げたと発表した。

 調査委は、毎年1月1日現在の発生確率を計算して公表している。時間の経過に伴い、2014年に発表した「70%程度」から確率が高まった。13年までは「60~70%」だった。

 今後10年以内の発生確率もこれまでの「20~30%」から「30%程度」に引き上げた。50年以内の確率は「90%程度、もしくはそれ以上」に据え置いた。

 南海トラフでは、おおむね100~150年おきにM8級の海溝型地震が発生してきた。地震は様々なパターンで起きることなどを考慮し、調査委は平均発生間隔を88.2年と仮定している。  (2018/2/9)


大地震3千年に1度…熊本の断層「日奈久区間」 (2017/9/9)

 昨年4月の熊本地震を引き起こした活断層につながり、昨年の地震では動かなかった断層区間で、約3000年に1度の間隔で大地震が繰り返し起こっていたとの調査結果を、産業技術総合研究所の研究チームが8日に発表した。同研究所の宮下由香里・活断層評価研究グループ長は「今後も注意が必要だ」と警戒を促している。

 大地震が繰り返し起きていたのは、熊本県益城ましき町から八代海に至る日奈久ひなぐ断層帯(約81キロ・メートル)のうち、同県宇城うき市と芦北町の間の「日奈久区間」(約40キロ・メートル)。その北東につながる「高野―白旗区間」(約16キロ・メートル)は、昨年4月14日にマグニチュード(M)6.5の前震を引き起こした。

 同研究所が日奈久区間を掘削して地層を調べたところ、約1万8000年前から現在までに6回、大地震で地層がずれた痕跡を確認した。最新の痕跡は約1900~1100年前で、地震の規模はいずれもM7級の可能性があるという。  (2017/9/9)


南海トラフ地震、10年以内の確率上昇/地震調査委 (2017/1/14)

       ▲ 熊本地震で崩れた道路

 政府の地震調査委員会は1月13日、日本で起こる可能性がある地震の最新の発生確率を公表し、南海トラフで10年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を、前年の「20%程度」から「20~30%」に引き上げた。

 周期的に発生する地震の場合、地震が起きていない期間が長くなるほど発生確率が上がる。今回の引き上げも、前年からの時間経過によるものだという。50年以内の発生確率も、前年の「90%程度」から「90%程度もしくはそれ以上」に改めた。

 一方、熊本地震があった布田川断層帯では、北東部でM7級の地震が300年以内に発生する確率を、前年の「ほぼ0~9%」から「ほぼ0%」に引き下げた。

 ただし、九州中部の地域全体の評価は「17~27%」とほとんど変わらず、文部科学省地震・防災研究課は「注意が必要な事には変わりがない」としている。  (2017/1/14)

 ◇あれから25年 ⇒ 「阪神・淡路大震災から25年、震災後生まれ2割超に」 (2020/1/17)


日頃から防災意識を持つことが大切

 地震は、時と場所を選ばずにある日突然意外な場所で発生します。このため、「明日は我が身」と考えて、日ごろからの地震対策を心掛けて家族や地域ぐるみで防災意識を持ち続けることが大切です。

 ⇒ 災害時は「避難指示」で必ず避難

長周期地震動について

 大きな地震で生じる、周期が長い大きな揺れのことを長周期地震動といいます。 特に高層ビルなどは、この長周期地震動が発生すると長時間大きく揺れ続けるので注意が必要となります。また、長周期地震動は非常に遠くまで伝わりやすいので、日本から遠く離れたところで発生した地震でも大きな影響を受ける場合があります。

 ⇒ 「長周期地震動の詳細」


自然災害から命を守るため、最低限知っておきたいこと

 自然災害から命を守るためには、私たち一人ひとりが日頃からの備えを自主的に行うことが何よりも重要です。家具の固定化や住宅の耐震化などの家の中の安全対策、ハザードマップの確認、食糧・生活用品の備蓄、避難訓練の参加などは、どれも欠かすことができない自助としての取組です。また、発災後も、防災ボランティアとしての活動や地域の一員としての協力など共助の取組が重要になります。いざ発災してから考えるのではなく、共助の心得も日頃から備えておく必要があります。

◇動画を見る ⇒ 自然災害から命を守るために!「最低限知っておきたい自助・共助」


緊急地震速報、広範囲化…震源遠くても高精度に

 大地震の発生時に発表される緊急地震速報について、気象庁は、震源から離れた地域でも精度の高い速報を可能にする新たな震度予測手法を22日から導入する。

 東日本大震災の際に関東などで速報を出せなかった反省を踏まえ、震源からの距離に関係なく各地の震度計などがとらえた実際の揺れを基に、さらに遠くへ揺れが到達する前に速報を出す。南海トラフ地震のような巨大地震の際に従来より広範囲で速報を出せるという。

 同庁によると、これまでは地震発生の際、小刻みに高速で伝わる「初期微動(P波)」の観測値からまず震源と規模を推定。その後に遅れて届く大きな「主要動(S波)」の震度を予測し、震度4以上の揺れが予想される地域に速報を出してきた。しかし、巨大地震では、震源の地下の岩盤の割れが広がり、震源域そのものが拡大していく。そのため、最初に推定した震源から揺れを予測する従来の手法では、距離が遠くなるほど震度が過小評価されてしまう欠点があった。 (2018/3/20)



東日本大震災から9年、人口減に拍車 (2020/3/11)

 死者、行方不明者、関連死を含め、2万2131人が犠牲になった東日本大震災から11日で9年になる。政府の「復興・創生期間」が残り1年となり、被災地では住まいや交通網などの整備が完了に近づが、今も約3100人がプレハブ仮設住宅で過ごし、約4万7千人が避難生活を続ける。

 復興庁によると、震災で被害の大きかった岩手、宮城、福島の3県の災害公営住宅の整備率は、1月時点の平均で計画戸数の99%に達した。高台移転による宅地造成も計画戸数の99%を整備した。復興道路は全体計画約570キロの7割が開通済み。JR常磐線の富岡―浪江間(20.8キロ)が3月14日に再開し、震災で被災した路線はすべて復旧する。

 内閣府などによると、全国の避難者数は10日時点でなお4万7737人。応急仮設住宅にも約6千人が入居している。福島第1原発が立地する福島県双葉町で4日、9年ぶりに町内の一部で原発事故による避難指示が解除されたが、人が住めるようになるのは2022年春以降だという。

 復興庁によると、原発事故で被災した同県の12市町村の営農再開面積は震災前の29%。沿岸漁業も試験操業が続き、水揚げ量は震災前の14%にとどまっている。

 警察庁によると、全国の震災による死者は10日時点で1万5899人で、行方不明者は2529人となっている。また、復興庁によると、避難生活での体調悪化などが原因の震災関連死(19年9月時点)は1都9県で3739人となっている。


東日本大震災による被災の状況

岩手県
 死者 4,674人、行方不明者 1,114人、震災関連死 467人、避難者 1,028人

宮城県
 死者 9,542人、行方不明者 1,219人、震災関連死 928人、避難者 4,196人

福島県
 死者 1,614人、行方不明者 196人、震災関連死 2,250人、避難者 3万2,631人

3県含む全国の総数
 死者 1万5,897人、行方不明者 2,533人、震災関連死 3,701人、避難者 5万1,778人

【注】
死者・行方不明者は2019年3月8日時点(警察庁)、震災関連死は2018年9月30日時点(復興庁)、避難者は2019年2月7日時点(復興庁)


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津波から身を守るために

 津波とは、地震の発生によって海岸を急に襲う大波のことで、地震以外にも、火山噴火や沿岸の山崩れ、海底地すべりなどによって津波が発生することもあります。このため、地震による津波を区別するために地震津波ということもある。

津波で最も警戒が必要なプレート境界型地震

     ▲ 東日本大震災の大津波

 プレート境界型の地震は、断層(地球の地層に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて、食い違いがある状態)が急激にずれ動く現象です。このため、プレート境界型地震が発生した時は、大きな津波を引き起こす可能性が非常に高いので注意が必要です。

 日本が地震列島と呼ばれる理由は、地球上の大陸を構成するプレートが集まっているためです。このプレートは年間数cmの速度で動き、隣接するプレートの下に沈み込んでいきます。そして、くっついたまま沈み込める限界を超えると、元に戻ろうとする反発力が働いて、一気にはね返り巨大地震を引き起こします。

津波の遡上、長時間続く押し波と引き波

       ▲ 津波の遡上

 津波は、押し波と引き波が長時間続きます。津波が沖合から海岸に向かって進行する場合を「押し波」といい、逆に津波が海岸から沖合に向かって戻って行く波を「引き波」といいます。

 津波の始まりの「第1波」が押し波か引き波かは、津波発生域での断層運動の方向や規模によって異なります。また、津波が到達した場所周辺の海底地形によって変わることもあります。

 先に引き波が来たときには、潮が異常に引くので普段は見えない海底が現れたりしますが、それが津波によることを知らず海岸に近寄ると、次にやってくる押し波によってさらわれる恐れがるので注意が必要です。

気象庁の津波情報

 気象庁では、全国に配置された地震計によって地震を感知すると、直ちに震源位置や地震規模を推定し、津波が発生するかどうかを判定します。そして、津波の発生が予想された場合は、ただちに「津波注意報」または「警報」を発表し、各地の津波到達予想時刻と予想される津波の高さや到達時刻などを津波情報として発表します。

津波の際に取るべき正しい行動

1.地震の揺れを感じた時は、ただちに高台への避難
2.より遠くではなく、より高い場所への避難
3.逃げ切れない時は、頑丈な建物の可能な限り高層階へ避難
4.津波は長時間続きます。決して海岸には近づかないこと
5.河川を遡上する津波に備え、川沿いに住んでいても避難が必要

 小さな揺れやゆったりした揺れでも、津波は発生する可能性があり、海外の地震で津波が発生する場合もあります。日頃から津波警報・注意報には注意しましょう。

「岩手、北海道で津波最大30メートル 日本海溝・千島海溝地震」…内閣府想定  (2020/4/21)


「津波の避難3原則」

 東日本大震災では、津波により多くの尊い命が奪われました。そして、今なお、日本だけではなく、世界の様々な地域で地震が頻発しています。国内でも、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が予想され、いつ大きな津波が襲ってくるかわかりません。ここでは、東日本大震災による津波から多くの人命を救った釜石の小中学生が実践した「津波の避難3原則」を中心に、津波から命を守る心得を紹介します。

 ⇒ 「津波の避難3原則」… 政府インターネットTVを見る


津波動画を地図上で検索、東北大がネット公開 (2017/2/21)

 東日本大震災から6年を迎えるのを前に、東北大学災害科学国際研究所は今月から、震災発生時の動画を地図上検索できるシステム『動画でふりかえる3.11 ~東日本大震災公開動画ファインダー~』をインターネット上で公開している。

 どこでどのような被害が生まれたのか、動画から当時の状況をイメージしながら津波への正しい認識を持つことで、適切な避難行動につなげることを目指す。

 このシステムは、動画投稿サイト「ユーチューブ」上で公開されている動画1369件のリンクを掲載。①津波襲来、②津波直後、③地震発生時(津波なし)の3分類別に色分けし、場所が特定できた973件を地図上に配置している。分類や場所を選択する方法や、フリーワードの入力でも検索できる。

 動画は報道機関や一般人などが投稿したもの。同研究所によると、位置情報が元々含まれているものは数十件にとどまっていたといい、撮影場所は、動画を一つ一つ確認し、映し出されている建物などを参考に特定した。

 同研究所の佐藤翔輔助教は「個人で見るだけでなく、地域防災を考えるワークショップなどでも利用できる。自分の住む地域に類似した場所の被災の状況を見て、防災計画に役立ててほしい」と話している。  (2017/2/21)


 ⇒ 動画でふりかえる3.11 「東日本大震災公開動画ファインダー」


石垣島、巨大津波の痕跡 2000年前から4回 (2017/5/30)

 沖縄県の石垣島で、約2000年前から現在までに巨大津波が計4回起きたことを示す地層の痕跡を発見したという調査結果を、静岡大学の研究チームがまとめた。

 石垣島など先島諸島周辺には、1771年に巨大津波の記録があり、最大30メートル弱の津波が押し寄せたとみられている。研究チームは石垣島の牧場に長さ約150メートル、深さ約3メートルの溝を掘り、地層に津波の痕跡があるかどうかを調べた。

 その結果、1771年の痕跡のほかに計3回の巨大津波の痕跡を見つけた。約600年に1回の間隔で、巨大津波が繰り返し起きたと考えられるという。  (2017/5/30)



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