昭和の時代と青春歌謡

心はいつも青春、 時には懐かしい青春の頃を訪ねて明日へのエネルギーを充電しましょう!

昭和は遠くなりにけり

 ▲ 音楽を自然な音で聴くにはやっぱりこれですね!
 青春歌謡は1960年代からはじまりました。その頃は、60年安保闘争や前回の東京オリンピック開催、そして東海道新幹線の開業に 経済成長の始まりなど、いろんなことがありました。当時の若者は少々貧乏でも皆元気だったし、一生懸命生きていました。

 また、1960年代半ばの昭和40年頃といえば、大学生のアルバイト代が1日8時間で400円前後の時代です。今は最低時給が全国平均で902円ですから、実働8時間だと7216円になります。つまり、当時のアルバイト賃金は、現在の18分の1だったことになりますね。

 ここでは、学生運動が盛んだった昭和40年前後に流行った青春歌謡にスポットをあて、当時の世相を振り返ってみましょう。



昭和を代表する歌謡アイドル御三家

 1960年代は歌謡曲全盛の時代で、特に橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦の3人が、青春歌謡のアイドル「御三家」と呼ばれ大変な活況を呈していました。

 橋幸夫は、1960年に17歳でデビュー。その3年後の1963年には舟木一夫が18歳で、また、西郷輝彦は翌1964年に17歳でデビューし、それぞれが大ヒットを飛ばして当時の世の中に強烈なインパクトを与えました。まさに、団塊の世代と共に生きた大スターと言っても過言ではありません。

橋 幸夫

 橋幸夫は「潮来笠」で当時のビクターレコードからデビュー。同曲で第2回日本レコード大賞新人賞を受賞。この年、「第11回NHK紅白歌合戦」にも初出場を果たした。

<代表曲>「潮来笠」 「おけさ唄えば」(1960年)、「いつでも夢を」(1962年吉永小百合とのデュエット)「沓掛時次郎」(1961年)、「江梨子」(1962年)、「雨の中の二人」 「霧氷」(1966年)、「恋をするなら」(1967年)、「恋のメキシカン・ロック」(1967年)、「子連れ狼」(1971年)など。

  ♪昭和41年の日活映画「絶唱」(舟木一夫/和泉雅子主演)のロケ地
   ▲北陸自動車道 “杉津SA”から望む越前海岸

舟木一夫

 舟木一夫は、1963年に「高校三年生」でコロムビアレコードからデビュー。この曲は、発売1年で100万枚の大ヒットとなり、この年のレコード大賞新人賞を受賞した。

<代表曲>「高校三年生」「修学旅行」 「学園広場」 「仲間たち」(1963年)、「あゝ青春の胸の血は」(1964年)「君たちがいて僕がいた」 「高原のお嬢さん」(1965年)、「哀愁の夜」 「絶唱」(1966年)、「銭形平次」 「夕笛」(1967年)、「初恋」(1971年)など。

西郷輝彦

 西郷輝彦は、1964年に「君だけを」でクラウンレコードからデビュー。この曲は60万枚を売れ上げる大ヒットとなり、この年のレコード大賞新人賞を受賞した。

<代表曲>「君だけを」 「十七才のこの胸に」 「チャペルに続く白い道」(1964年)、「青年おはら節」(1965年)、「涙をありがとう」 「星娘 」 「星のフラメンコ」(1966年)、「兄妹の星」 「初恋によろしく」 「願い星叶い星」(1967年)など。


 歌は世につれ 世は歌につれ ・・・

昭和21~36年

<印象に残る青春歌謡>
かえり船/田端義夫…昭和21年
あこがれのハワイ航路/岡 晴夫…昭和23年
栄冠は君に輝く ~全国高等学校野球選手権大会の歌~/関西吹奏楽連盟・関西合唱連盟…昭和23年
チャンチキおけさ/三波春夫…昭和24年
青い山脈/藤山一郎・奈良光枝歌…昭和24年
お祭りマンボ 美空ひばり…昭和27年
この世の花/島倉千代子…昭和30年
リンゴ村から/三橋美智也…昭和31年
港町十三番地/美空ひばり…昭和32年
東京だよおっ母さん/島倉千代子…昭和32年
無法松の一生(度胸千両入り)/村田英雄…昭和33年
東京ナイトクラブ/フランク永井・松尾和子…昭和34年
南国土佐を後にして/ペギー葉山…昭和34年
月の法善寺横丁/藤島 桓夫…昭和35年
銀座の恋の物語/石原裕次郎・牧村旬子…昭和36年
ひばりの渡り鳥だよ/美空ひばり…昭和36年
上を向いて歩こう/坂本九…昭和36年
ソーラン渡り鳥/こまどり姉妹…昭和36年
下町の太陽/倍賞千恵子…昭和36年


昭和37年

<印象に残る青春歌謡>
いつでも夢を/橋幸夫 吉永小百合
遠くへ行きたい/ジェリー藤尾
可愛いベイビー/中尾ミエ
ハイそれまでョ/植木等・ハナ肇とクレイジーキャッツ
なみだ船/北島三郎
ルイジアナ・ママ/飯田久彦
星屑の町/三橋美智也
ふりむかないで/ザ・ピーナッツ
赤いハンカチ/石原裕次郎
恋の曼珠沙華/美空ひばり
未練ごころ/こまどり姉妹
ラ・ノビア/ペギー葉山
霧子のタンゴ/フランク永井
一週間に十日来い/五月みどり
ひばりの佐渡情話/美空ひばり
山男の歌/ダーク・ダックス
島育ち/田端義夫
若いふたり/北原謙二
江梨子/橋幸夫
寒い朝/吉永小百合・和田弘とマヒナスターズ
恋は神代の昔から/畠山みどり
大学かぞえうた/守屋浩

<昭和37年の出来事>(1962年)
・東京都、世界初の1000万都市に(1月)
・テレビ受信契約数が約1000万件を突破(3月)
・北陸トンネル開通(6月)
・堀江謙一、ヨットで太平洋単独横断に成功(8月)
・戦後初の国産飛行機・YS-11、試験飛行に成功(8月)
・金田正一投手(国鉄)、奪三振3514の世界新記録(9月)
・キューバ危機…全面核戦争の緊張状態に
・美空ひばりと小林旭が結婚(11月)
・日本初の自動車専用道路である首都高速1号線京橋~芝浦間が開通(12月)

<世相>
住宅難深刻/東京でスモッグが問題化/ツイスト流行/求人難で学生の青田刈り


昭和38年

     ▲ 大山高原の秋
<印象に残る青春歌謡>
恋のバカンス/ザ・ピーナッツ
高校三年生/舟木一夫
仲間たち/舟木一夫
星空に両手を/島倉千代子 守屋浩
東京五輪音頭/三波春夫
見上げてごらん夜の星を/坂本九
美しい十代/三田明
エリカの花散る時/西田佐知子
草笛を吹こうよ/浜田光夫 三条江梨子
夕陽の丘/石原裕次郎、浅丘ルリ子
長崎の女/春日八郎
出世街道/畠山みどり
浪曲子守唄/一節太郎
島のブルース/三沢あけみ・和田弘とマヒナスターズ

<昭和38年の出来事>(1963年)
・東京などの10大都市で交通違反切符制を採用(1月)
・北陸豪雪。死者不明者84人(1月)
・東京入谷で吉展ちゃん誘拐事件。身代金奪われる(3月)
・バナナの輸入自由化(4月)
・大阪駅前に日本初の横断歩道橋が完成(4月)
・黒四ダム完成(6月)
・地下鉄京橋駅で停車中の車内で時限爆弾爆発、10人負傷(9月)
・警視庁、管内各署に白バイを配備(10月)
・新千円札発行(伊藤博文)発行(11月)
・三井三川鉱で炭塵爆発。458人死亡(11月)
・日米間テレビ宇宙中継受信実験成功(11月)

<世相>
テレビアニメ「鉄腕アトム」放送開始/横断歩道橋が大阪に初登場/アイ・バンク開設/サントリーとアサヒが瓶詰め生ビールを発売/ハウス「バーモントカレー発売


昭和39年

  ▲1964年(昭和39年10月)東海道新幹線開業
<印象に残る青春歌謡>
柔/美空ひばり
ああ上野駅/井沢八郎
君だけを/西郷輝彦
涙を抱いた渡り鳥/水前寺清子
二人の星をさがそうよ/田辺靖雄
青春の城下町/梶光夫
十七才は一度だけ/高田美和
霧の中の少女/久保浩
女心の唄/バーブ佐竹
愛と死を見つめて/青山和子
チャペルに続く白い道/西郷輝彦
若い二人の心斎橋/三田明・吉永小百合
ウナ・セラ・ディ東京/ザ・ピーナッツ
こんにちは赤ちゃん/梓みちよ
女学生/安達明
恋の山手線/小林旭
明日があるさ/坂本九
サントワマミー/越路吹雪
新妻に捧げる歌/江利チエミ
ああ青春の胸の血は/舟木一夫
東京の灯よいつまでも/新川二郎
元禄名槍譜 俵星玄蕃/三波春夫
東京オリンピックマーチ(古関裕而作曲)/陸上自衛隊中央音楽隊

<昭和39年の出来事>(1964年)
・第9回冬季オリンピック・インスブルック大会開催(1月)
・早川電機(現シャープ)とソニーが電子式卓上計算機発売(3月)
・海外旅行が自由化となる(4月)
・日本、OECDに正式加盟(4月)
・新潟地震、死者26人(4月)
・羽田~浜松町間にモノレール開通(9月)
・富士山頂に気象レーダー完成(9月)
・東海道新幹線開通(10月)
・第18回オリンピック・東京大会開催(10月)
・ソニーが家庭用ビデオテープレコーダー発売(11月)
・公明党結成(11月)

<世相>
都内各所で美化運動を展開/大卒初任給21,200円/ノースリーブ流行/銀座にみゆき族が登場/「コダック・インスタマチックカメラ」発売/大関酒造が「ワンカップ大関」発売(1本85円)



昭和40年

<印象に残る青春歌謡>
愛して愛して愛しちゃったのよ/和田弘とマヒナスターズ&田代美代子
アリューシャン小唄/こまどり姉妹
新聞少年/山田太郎
夏の日の想い出/日野てる子
ふるさとの話をしよう/北原謙二
涙をありがとう/西郷輝彦
学生時代/ペギー葉山
逢いたくて逢いたくて/園まり
函館の女/北島三郎
涙の連絡船/都はるみ
涙くんさよなら/坂本九
兄弟仁義/北島三郎
さよならはダンスの後に/倍賞千恵子
二人の世界/石原裕次郎
ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー/越路吹雪
女心の唄/バーブ佐竹
女ひとり/デュークエイセス
星娘/西郷輝彦
北国の街/舟木一夫
ろくでなし/越路吹雪
帰ろかな/北島三郎
網走番外地/高倉健
ヨイトマケの唄/丸山明宏
ごめんネ…ジロー/奥村チヨ
明日は咲こう花咲こう/吉永小百合・三田明
赤いグラス/アイ・ジョージ・志摩ちなみ
下町育ち/笹みどり

<昭和40年の出来事>(1965年)
・米軍のベトナム北爆開始(2月)
・北炭夕張炭坑でガス爆発、62人死亡(2月)
・山陽特殊製鋼、会社更正法適用申請(3月)
・作家の戸川幸夫が西表島で発見したヤマネコが新種と鑑定され、イリオモテヤマネコと命名(3月)
・ソ連の宇宙飛行士レオーノフ中佐が人類史上初の宇宙遊泳に成功(3月)
・福岡県の山野炭坑でガス爆発、237人死亡(6月)
・国鉄「みどりの窓口」開設(9月)
・朝永振一郎がノーベル物理学賞受賞(11月)
・NTV系列で「11PM」放送開始
・中国で文化大革命始まる(11月)
・プロ野球のドラフト制始まる(11月)
・昭和40年の造船進水量が10年連続の世界一(12月)

<世相>
エレキブーム/アイビー族登場/大塚製薬が「オロナミンC」発売/鎌田商会(現・白元)が「アイスノン」発売



昭和41年

<印象に残る青春歌謡>
君といつまでも/加山雄三
空に星があるように/荒木一郎
骨まで愛して/城卓也
二人の世界/石原裕次郎
二人の銀座/和泉雅子・山内賢
お嫁においで/加山雄三
回転禁止の青春さ/美樹克彦
おはなはんの歌/倍償千恵子
星影のワルツ/千昌夫
君が好きだよ/佐々木新一
いっぽんどっこの唄/水前寺清子
こまっちゃうナ/山本リンダ
たそがれの御堂筋/坂本スミ子
恋のフーガ/ザ・ピーナッツ

<昭和41年の出来事>(1966年)
・早大生、授業料値上げ反対などで全学スト、6/22解決(1月)
・全日空「ボーイング727」が羽田沖に墜落、133人全員死亡(2月)
・第1回物価メーデー、200万人参加(2月)
・BOACの「ボーイング707」が富士山上空で空中分解、124人全員死亡(3月)
・日本の総人口1億人突破(3月)
・米原潜スヌーク号、横須賀入港。反対デモ激化(5月)
・9月15日を「敬老の日」10月10日を「体育の日」と定める(6月)
・ビートルズが日本武道館公演(6月)
・政府、新国際空港建設地を千葉県成田市三里塚に決定(7月)
・戦時中の接収ダイヤ売り出し(10月)
・建国記念の日を2月11日に決定(12月)

<世相>
ミニスカートが普及/NHKテレビ「おはなはん」大人気/「ひのえうま」で出生数が前年の25%減

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昭和42年

<印象に残る青春歌謡>
真赤な太陽/美空ひばり
夜霧よ今夜もありがとう/石原裕次郎
渚のうわさ/弘田三枝子
君に会いたい/ザ・ジャガーズ
レモン月夜の散歩道/都はるみ
小指の想い出/伊東ゆかり
星影のワルツ/千昌夫
ラブユー東京/黒沢明とロス・プリモス
ブルー・シャトウ/ジャッキー吉川とブルーコメッツ
世界の国からこんにちは/三波春夫
世界は二人のために/佐良直美
好きさ好きさ好きさ/ザ・カーナビーツ
この広い野原いっぱい/森山良子
北国の二人/ジャッキー吉川とブルーコメッツ
夕笛/舟木一夫
小樽のひとよ/鶴岡雅義と東京ロマンチカ
新宿そだち/大木英夫・津山洋子
雨の銀座/黒沢明とロス・プリモス
虹色の湖/中村晃子
シーサイド・バウンド/ザ・タイガース
モナリザの微笑/ザ・タイガース
知りたくないの/菅原洋一
願い星叶い星/西郷輝彦
君こそわが命/水原弘
新宿ブルース/扇ひろ子
いとしのマックス/荒木一郎
恋のハレルヤ/黛ジュン
白馬のルンナ/内藤洋子
花はおそかった/美樹克彦
いい湯だな ビバノン・ロック/ザ・ドリフターズ
帰ってきたヨッパライ/ザ・フォーク・クルセダーズ
新宿そだち/大木英夫・津山洋子
盛り場ブルース/森進一
虹色の湖/中村晃子
命かれても/森進一

<昭和42年の出来事>(1967年)
・大相撲の高見山大五郎(22歳)が外国人として初の関取十両に昇進(3月)
・東京都知事選、美濃部亮吉当選。革新都政の誕生(4月)
・EC欧州共同体発足(7月)
・西日本豪雨、死者・不明371人(7月)
・マッターホルン北壁に日本女性2人が初登頂(7月)
・公害対策基本法公布(8月)
・ユニバーシアード東京大会開催(8月)
・新潟・山形地方に豪雨、死者・不明146人(8月)
・四日市ぜんそく患者、石油コンビナート6社に慰謝料請求訴訟(9月)
・日本初の深夜放送「オールナイトニッポン」始まる(10月)
・成田新空港の測量開始
・日米首脳会談、共同声明で小笠原諸島返還を発表(11月)
・都電、銀座線など9系統廃止(12月)

<世相>
ゴーゴー喫茶が大盛況/フーテン族が話題に/着せ替え人形「リカちゃん」登場 /ボーリングブーム

昭和43年

<印象に残る青春歌謡>
受験生ブルース/高石友也
悲しくてやりきれない/ザ・フォーククルセダーズ
愛のさざなみ/島倉千代子
愛するってこわい/じゅんとネネ
恋の季節/ピンキーとキラーズ
恋のしずく/伊東ゆかり
花の首飾り/ザ・タイガース
ゆうべの秘密/小川知子
伊勢佐木町ブルース/青江三奈
小さなスナック/パープル・シャドウズ
イムジン河/フォーク・クルセイダーズ
思案橋ブルース/高橋勝とコロラティーノ
エメラルドの伝説/ザ・テンプターズ
霧にむせぶ夜/黒木憲
天使の誘惑/黛ジュン
花と蝶/森進一
釧路の夜/美川憲一
ケメ子の歌/ザ・ダーツ
たそがれの銀座/黒沢明とロス・プリモス
愛の園/布施明
バラの恋人/ザ・ワイルドワンズ
薩摩の女/北島三郎
世界は二人のために/佐良直美
知りすぎたのね/ロス・インディオス
旅路のひとよ/鶴岡雅義と東京ロマンチカ
長い髪の少女/ザ・ゴールデン・カップス
グッド・ナイト・ベイビー/ザ・キングトーンズ

<昭和43年の出来事>(1968年)
・第10回冬季オリンピック・グルノーブル大会開催(2月)
・イタイイタイ病を公害病に認定(5月)
・十勝沖地震、死者52人(5月)
・文化庁発足(6月)
・小笠原諸島、正式に日本復帰(6月)
・青キップによる「交通反則通告制度」スタート(7月)
・郵便番号制スタート(7月)
・水俣病と阿賀野川水銀中毒を政府が公害病に正式認定(9月)
・第19回オリンピック・メキシコ大会開催(10月)
・川端康成、ノーベル文学賞受賞(10月)
・府中市で白バイによる3億円強奪事件発生、50年に時効成立(12月)
・紛争中の東大と東教大、44年度の入試中止を決定(12月)

<世相>
全国115大学で紛争が/タレント議員大量進出/ヒッピースタイル登場/サイケデリックファッション流行/国民総生産(GNP)1419億ドルで世界第2位に/大塚食品が「ボンカレー」発売


昭和44年(1969年)以降

新宿の女 藤 圭子(昭和44年)
白い色は恋人の色/ベッツィー&クリス(昭和44年)
大阪の女 ザ・ピーナッツ(昭和45年)
テネシーワルツ/江利チエミ(昭和46年)
真夏の出来事/平山三紀(昭和46年)
琵琶湖周航の歌/加藤登紀子(昭和46年)
岸壁の母/二葉百合子(昭和46年)
十三の夜/藤田まこと(昭和46年)
宗右衛門町ブルース/平和勝次とダークホース(昭和47年)
女のみち/ぴんから兄弟(昭和47年)
くちなしの花/渡 哲也(昭和48年)
涙の操/殿さまキングス(昭和48年)
街の灯り/堺正章(昭和48年)
赤い風船/浅田美代子(昭和48年)
うそ/中条きよし(昭和49年)
グッド・バイ・マイ・ラブ/アン・ルイス(昭和49年)
ふれあい/中村雅俊(昭和49年)
十九の春/田端義夫(昭和50年)
大阪ラプソディー/海原千里・万里(昭和51年)
志村けんの全員集合 東村山音頭/志村けん(昭和51年)



 東京オリンピックと作曲家・小関裕而の世界

   ▲第18回オリンピック東京大会(1964年)
 1964年10月10日午後2時、東京国立競技場に集まった7万3千人もの観客、そしてテレビを通じて世界中の人々が見つめるなか、第18回オリンピック東京大会の入場行進がはじまった。選手団の入場と共に国立競技場に高らかに響き渡ったのが「オリンピック・マーチ」だ。

 人々はその軽快なリズムと入場してくる各国選手団の明るい表情に、これから始まる世紀の祭典へ大きな期待を寄せながら心を躍らせた。この壮大なる行進曲『オリンピック・マーチ』を作曲したのが古関裕而である。

 1936年(昭和11年)、古関裕而は現在のプロ野球12球団のなかで最も古い球団歌となる「大阪タイガースの歌」(現・阪神タイガースの歌~六甲おろし)を作曲した。この年、ドイツではベルリンオリンピックが開催され、日本は金6、銀4、銅8、合計18個のメダルを獲得した。

 この年、東京は幻のオリンピックとなった1940年大会の招致に成功しているが、日中戦争に突入する1937年には、国内外からボイコットを示唆する声が上がって、政府は東京オリンピックの返上を決定。ここから日本は戦争への道へと突き進んで行くのである。

 それ以降、古関裕而には軍歌の作曲依頼が相次ぐようになるが、1937年(昭和12年)に発表された「露営の歌」は、当時で60万枚ものヒットを記録した。1940年(昭和15年)には「暁に祈る」、1941年(昭和16年)には「海の進軍」、1943年(昭和18年)には「『若鷲の歌」、翌1944年(昭和19年)には「ラバウル海軍航空隊」を発表。翌1945年8月15日に終戦を迎えるが、その間の作曲数は100曲近くになる。

 戦後になると、古関裕而は希望に満ちた曲や国民を元気にする曲を作りはじめ、1947年(昭和22年)にはNHKの連続ラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌「とんがり帽子」を。その翌年には、夏の全国高等学校野球歌の「栄冠は君に輝く」を作曲した。1949(昭和24)年には、原爆がもたらす戦争の悲惨さと平和の尊さを願って作られた「長崎の鐘」が藤山一郎の歌で大ヒットした。

 そして、古関裕而の集大成ともいうべき名曲が1946年(昭和39年)に東京オリンピックの開会式で演奏された「オリンピック・マーチ」なのだ。

小関裕而の代表曲

◇栄冠は君に輝く ~全国高等学校野球選手権大会の歌~
  /関西吹奏楽連盟・関西合唱連盟(昭和23年)


 ・第100回全国高校野球選手権記念大会「ダンス」篇
 (同志社香里高校・府立今宮高校・府立登美丘高校ダンス部)
   /演奏・合唱=尼崎市立尼崎高校


◇東京オリンピックマーチ/陸上自衛隊中央音楽隊(昭和39年)

◇阪神タイガース球団歌「六甲おろし」/立川清登(昭和55年)
 ~元歌は「大阪タイガースの歌」…佐藤惣之助:作詞(昭和11年)


 ・阪神タイガースの歌「六甲おろし」/唐渡吉則
 ・みんなで六甲おろし/山本彩

◇巨人軍の歌「闘魂こめて」/守屋浩・三鷹淳・若山彰
  …椿三平:作詞、西條八十:補作詞(昭和37年)




 歌謡曲はどんな音階で作られているか?

 西洋の音楽(洋楽)の場合、普通は7音階でできていますが、1970年代以前の日本の歌謡曲は、ほとんどの曲が第4音と第7音を抜いた「ヨナ抜き音階」と呼ばれる音階と、日本音楽の主流である2音6音抜きの「ニロ抜き音階」で作られています。

 しかし、70年代以降になって、洋楽のように7音を使った曲や、雅楽のように昔から日本で使われている第2音6音抜きの「ニロ抜き音階」の曲が増えてきました。
 そして、それ以降は、西洋の「7音音階」を取り入れた楽曲が増えてくることになります。

「ヨナ抜き音階」と「ニロ抜き音階」

<ヨナ抜き音階>
 ヨナ抜き音階は日本固有の音階(五音音階)で、「四七抜き音階」とも表記する。ヨナ抜き長音階を西洋音楽の長音階に当てはめたときに主音「ド」から四つ目の「ファ」と、七つ目の「シ」がない音階(ドレミソラ)のことである。ピアノなどにおける黒鍵部分の5音にも相当する。

<ニロ抜き(にろぬき)音階>
 ニロ抜き音階は「二六抜き音階」とも表記し、ニロ抜き短音階を西洋音楽の短音階に当てはめたときに主音「ラ」から二つ目の「シ」と、六つ目の「ファ」がない音階のこと。

楽譜「君が代」

「ヨナ抜き音階」の曲

 演歌は現在でもヨナ抜き音階が主流である。

「津軽海峡冬景色」(石川さゆり)
「昔の名前で出ています」(小林旭)
「北国の春」(千昌夫)
「夢追い酒」(渥美二郎)
「箱根八里の半次郎」(氷川きよし)…etc

 アイドル歌謡、フォーク、ニューミュージック、J-POPのなかにも曲全体や一部がヨナ抜き音階でできているものが多い。

「上を向いて歩こう」(坂本九)
「ブルー・シャトゥ」(ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)
「夏祭り」(JITTERIN'JINN)
「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)
「昴」(谷村新司)
「つけまつける」(きゃりーぱみゅぱみゅ)
「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)…etc

「ニロ抜き音階」の曲

 昔から使われている日本の主流となる音階で、雅楽や民謡調の演歌には、ニロ抜き音階のものが多い。

「どうにもとまらない」(山本リンダ)
「春一番」(キャンディーズ)
「我が良き友よ」(かまやつひろし)
「ペッパー警部」(ピンクレディ)
「リンゴ追分」(美空ひばり)
「りんどう峠」(島倉千代子)
「達者でナ」(三橋美智也)
「津軽平野」(千昌夫)…etc

「7音音階」の曲

 広く西洋の音楽で使われている音階である。

「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)
「ウォンテッド」(ピンク・レディ)
「ひなげしの花」(アグネス・チャン)
「勝手にしやがれ」(沢田研二)
「瀬戸の花嫁」(小柳ルミ子)
「あなた」(小林明子)
「襟裳岬」(森進一・吉田拓郎)…etc


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