スイスの旅ガイド

ヨーロッパの中央に位置する山岳国スイスには美しい景色が満ちあふれています。

スイスの歴史とその概要

       ▲ スイスの名峰 “マッターホルン”
 スイスの総面積は41,285平方キロメートルで、南北は220キロ、東西348キロという狭い面積の国土に、自然美溢れるバラエティ豊かな景観を誇る山岳国である。

 ヨーロッパの中央に位置するスイスは、ドイツやフランス、イタリアなど異なる文化が交わる場所で、ヨーロッパの南部と北部を結ぶ通信と運輸の拠点ともなっている。

スイスの正式国名

「スイス連邦」
・ドイツ語=Schweizerische Eidgenossenschaft
・フランス語=Confederation Suisse
・イタリア語=Confederazione Svizzera

「便宜的な統一国名」
 ラテン語で Confoederatio Helvetica(略称:CH)が使われている。首都はベルン。


スイスの地形

    ▲ スイスのマウンテンリゾート “サンモリッツ”
 スイスには無数の河川と1,500近い湖があり、ヨーロッパで飲料水などに使われる水の6%はスイスアルプスに貯水されていることから、スイスは「ヨーロッパの貯水池」としても知られている。

 最も大きな湖は、スイス南西部のレマン湖と北東部に位置するボーデン湖の2つの湖で、レマン湖はフランス、ボーデン湖はドイツとオーストリアの領土にまたがっている。

スイスの気候

 スイスの気候は、アルプスを境に北部と南部ではっきりと分かれる。北部は、大西洋からの強い西風が海からの湿った温暖な空気を運んでくるため、降雨に恵まれており、夏は涼しくて冬は暖かいという過ごしやすい気候。南部は主に地中海気候の影響を受けるために北部に比べて冬季は格段に温暖である。

 また、スイスの気温は主として海抜に左右され、北部の低地の1月の平均気温は1°C、7月は17°C前後で、南部の高原の平均気温はそれを2~3°C 上回っている。


スイスは連邦制度の国家

連邦制とは?

 スイスは、国民自らの意思で創設された国家で、言語や宗教が異なる複数の民族によって形成されている。スイスはもともと独立した「カントン」(州)の同盟組織であったが、現在のスイスは1848年に建国された。このため、インターネットのアドレスなどに見られるスイスを表す略字の「CH」は、正式なラテン名の「Confoederatio Helvetica」に由来している。

     ▲ 世界遺産・首都ベルンの旧市街
 スイスは連邦制度を採用しており、政治は「自治体」、「州」、「連邦」という3つのレベルに分かれている。

 連邦政府は外交・安全保障、関税、金融制度、国内法令、防衛など憲法に定められた分野を担当。国際的に比較すると、26のカントンには大きな権限が与えられている。

 カントンは教育や医療などの政治分野に大きな影響力を持っており、コンパクトで柔軟性のある政治組織として、様々な分野で互いに競争している。

<カントン >…州
 連邦制度を通じて、産業界や市民にとっての政治を身近なものにする一方、公共機能の多くはカントンや地方自治体レベルで行われている。カントンや地方自治体には一定の自治が認められ、地元の要件に合った教育や医療、文化面での様々な施策を実施することができる。


連邦レベルでの三権分立

<連邦議会>
 スイス連邦憲法は国民をスイスの「主権者」、すなわち議会を選出する最高の政治機関と定めており、すべての市民は国民投票権や国民発議権を行使して、憲法や法律の策定に参画する権利を持っている。

 連邦の議会は二院制で、国民の代表である200名の議員から成る国民議会と、26州の代表である46名の議員から成る全州議会とで構成されている。国民議会は、4年ごとに国民の直接投票で選出されるが、州の代表権は州ごとの人口に基づいて最低1名の代表を選出する権利がある。

      ▲ スイスの連邦議会議事堂
<連邦政府>
 連邦政府は連邦内閣と呼ばれ、合議制で運営されている。国民議会と全州議会の両院議員で構成される連邦議会合同会議によって選出される7名の閣僚が7つの省のいずれかの大臣を担当することになっている。

 大統領は1年ごとの交代制で、連邦内閣の閣僚の1人が着任する。


<司法>
 スイスの最高司法権はローザンヌにある連邦最高裁判所で、連邦保険裁判所(ルツェルン)、連邦刑事裁判所(ベリンゾナ)、連邦行政裁判所(ザンクトガレン)がある。



スイスは中立性国家

中立性の原則に従って行動

   ▲ アルプスの氷河に向かってのハイキングコース
 外交政策の面では、スイスは中立性の原則に従って行動することになっている。しかし、中立性を尊重するからといって国際情勢の傍観者であるということではありません。

 スイスは2002年に国連に加盟し、現在は欧州自由貿易連合(EFTA)などの重要な経済機関で常に積極的な役割を担っている。

中立国の始まり

     ▲ 首都ベルンのバラ公園前で
 スイスは、500 年以上にわたり、聖ニコラウス・フォン・フリューエ( 1417~1487年 )の「他人の事には関わるな」と云う教えを政治面で守ってきました。スイスは1515年から中立を守り、1815年に終結したナポレオン戦争後は欧州列強にもその立場が認められてきました。

 しかし、東西冷戦終結後、NATA(北大西洋条約機構)の役割が変化して治安維持任務が増加したため、スイスも中立の定義を緩めて1996年にNATO平和協力協定を締結しました。現在は、特に政治的にデリケートな会議の開催場所などに、スイスの中立的立場から領土を提供している。


    ▲ アイガー北壁の麓にある街 “グリンデルワルド”

スイスの人口

 スイスの人口はおよそ約831万人(2015年現在)で、人口構成比は、20才~39才が26.6%、65才以上が16.8%、20才未満が21.0%を占めている。平均寿命は世界の上位を誇っており、男性の平均寿命は79.4歳、女性84.4歳。

 スイスは住宅地が比較的分散しているため、過密状態には至っておらず、人口の3分の2以上は5大都市(チューリヒ、ジュネーブ、バーゼル、ベルン、ローザンヌ)とその周辺の都市圏で暮らしている。

公用語

    ▲ スイスの首都ベルンを流れるアーレ川
 公用語は4ヶ国語で、ドイツ語(人口の64%)、フランス語、(20%)、イタリア語(7%)、ロマンシュ語(1%)となっている。スイスの北部・東部・中央部ではドイツ語が話されているが、日常的にはスイスの方言が話されている。

 スイス西部のロマンディー、及びミッテルラントの一部ではフランス語 、 ティチーノ州など南部ではイタリア語、グリソン州の一部地域ではロマンシュ語が話されている。英語はスイス全土でよく通用する。

 外国人が人口に占める割合は22%。スイスへの移住は、以前は社会的弱者が中心だったものの、EU/EFTAとの協定締結によって人の移動が自由化されて以来、ドイツの熟練労働者を中心に、社会的に恵まれ知識や経験豊かな外国人の移住が増加している。


スイス旅行のヒントと見どころ

日本との時差

        ▲ マイエンフェルト “ハイジの泉”
 日本との時差はマイナス8時間。つまり日本の正午が、スイスでは午前4時となる。これがサマータイム実施中は7時間の時差になる。

 サマータイム実施期間は、3月の最終日曜午前2時(=午前3時)から10月の最終日曜午前3時(=午前2時)まで。

スイスの電圧

 電圧は220~230Vで周波数は50Hz、プラグは2本足の丸型タイプが一般的。Cタイプのアダプタが使える。日本国内の電化製品はそのままでは使えないものが多く、変圧器が必要。

スイスの通貨

 単位はスイスフラン(CHF/SFr)。補助単位はサンチーム(Ct)またはラッペン(Rp)。CHF1=Ct100=約106円前後(2016年10月現在)。

 ・紙幣:CHF10、CHF20、CHF50、CHF100、CHF200、CHF1000
 ・硬貨:Ct5、Ct10、Ct20、CHF1/2、 CHF1、CHF2、CHF5。

 なお、スイスはEU非加盟国だが、スイス国鉄、主要デパート、高級ホテルなどでは多くの場合ユーロでの支払いが可能である。

お得な交通パス

       ▲ ランドバッサー橋を走る “氷河特急”
「スイストラベルパス」
 最安料金: EUR 146.-
 主な鉄道、バス、湖船、都市交通が乗り放題で利用できるパスで、気軽で自由なスイス旅行を楽しむためには欠かせないアイテム。

 主要都市の市内交通や全国約480カ所の美術館・博物館が無料になるほか山岳交通の半額割引などの特典もついている。


「スイストラベルパス フレックス」
 最安料金: EUR 165.-
 主な鉄道、バス、湖船、都市交通が乗り放題。利用範囲も特典もスイストラベルパスと同じですが、自分で使用日を選ぶことができるため、よりフレキシブルに使えるパス。

〔詳細はこちら〕⇒ 「スイストラベルパス フレックス」


スイスの見どころ

   ▲夏でも活躍 “ディアヴォレッツァ展望台の雪上車”
 世界遺産の旧ベルン市街やマッターホルン、モンブラン、ユングフラウヨッホ、アイガー北壁、ベルニナ山脈等に代表されるヨーロッパアルプス名峰の数々。

 また鉄道ファンには見逃せないベルニナ特急や氷河特急etc。スイスの見どころはとてもひと言では表現できません。

 あなたも機会があれば、是非一度スイスを訪れて自分自身の目でその魅力を確かめてみませんか。


〈資料参考〉
旅行ガイドブック「地球の歩き方スイス」、スイス政府観光局、JTB、阪急交通社、クラブツーリズム、日本旅行の各HP

〈トップページに戻る〉

S-PLANNING
inserted by FC2 system